動名詞をはじめとする準動詞は、動詞を元に作られてはいるが動詞ではないので、それ自体が明確な時制を表すことはない。そのため、準動詞の動作や状態がいつ起きたのか(または、いつそうなのか)は、原則として文の述語動詞(V)で表される時制に一致する。ただし、文の述語動詞(V)よりも前の「時」を明確に示す必要があるときや、準動詞に完了のニュアンスを持たせたいときには準動詞を完了形にする。動名詞の完了形は、単純形は<having+過去分詞>、受動形は<having+been+過去分詞>の形で表す。
動名詞の完了形 †
- He is proud of being rich.
- = He is proud that he is rich.
- 彼は金持ちであることを誇りに思っている。
- 動名詞being rich(金持ちである)のがいつなのかは、Vの時制(現在)と一致。
- He is proud of having been rich.
- = He is proud that he [was | has been] rich.
- 彼は、自分が金持ちだったこと(ずっと金持ちであること)を誇りに思っている。
- 準動詞の完了形が、Vよりも以前の時(過去)を表すか、完了の意味を持つかは、文脈で判断する。